「ドアノブ」の修理や交換について
「ドアノブ」の疑問解決します!
『ドアノブのがたつき』でお悩みのお客様は案外多く、今回は、ドアノブについてお問い合わせいただくことをまとめました。ドアノブのがたつきは早期発見で解消しましょう。
○10年~15年が交換目安
毎日使用するドアノブの耐用年数は10年~15年ほどといわれています。
なお、日本ロック工業会(JLMA)が制定した建物に使用されている錠の耐用年数は、一般錠10年・電気錠7年としています。
一般的にドアノブは、メーカーが製造の際に「10年以上使用可能か」テストを行い、その基準を満たしたものが販売されているため、1~2年ですぐに壊れるということはありません。
ただし、使用する場所や頻度、使い方、ドアノブのタイプによって耐久性に違いがあります。
○ドアノブの不具合は早期発見でトラブル解消
開け閉めする頻度の多い、リビング、トイレ、浴室のドアノブの場合、他のあまり使わないドアよりも部品の消耗や故障がしやすい傾向があり、寿命も短くなります。また、玄関の扉は重量があるので閉じるときに負担がかかりやすく、砂やほこりなどが鍵穴から入り室内のドアよりも壊れやすい場合があります。
ドアノブが壊れてしまうと、急にドアが開かず閉じ込められたり、思わぬトラブルに合う可能性があります。ドアノブに異変を感じた時が交換時期ですので、早めの対応を心掛けましょう。
よくあるドアノブのトラブル
- ・ドアノブががたつく
- ・ドアノブが回せない、開かなくなった
- ・ドアノブが外れてしまった
- ・スムーズに鍵がかけられない
- ・ドアノブが空転する
- ・ドアノブの中心にある鍵穴に鍵が刺さらない、異物が詰まっている
- ・腐敗
- ・手垢や汚れがつきやすく取れない
ドアノブが壊れる原因
ドアノブは急に壊れる場合は少なく、だんだん調子が悪くなることが多いようです。ドアノブが壊れるいくつかの原因をご紹介します。
- ・ネジが緩んでいる
- ・使用頻度が多く摩擦などで部品が消耗
- ・使い方が乱雑
- ・無理な力をかけて開け閉めしている
- ・長年(10年以上)使用していて部品が経年劣化
- ・風呂場などの水分が多いところでの腐食
- ・鍵穴に異物が混入されている
<ドアノブ交換可能な場所>
玄関、勝手口、トイレ、風呂場、室内ドア、物置 など
ドアノブにはどんな種類がありますか?
<交換可能なドアノブの種類>
ドアノブの形状
ドアノブの形は大きく分けて「円筒錠」、「レバーハンドル」、「装飾錠」の3種類があります。
●円筒錠(握り玉、丸いドアノブ)→トイレ、風呂場、でよく使われます。玄関、勝手口でもこのタイプのドアをお使いのアパートや一軒家がありますが、円筒錠は構造が複雑ではないため、防犯性が低く、一般的には室内で使われます。
●インテグラル錠→円筒状と見た目は似ています。アパートの玄関や勝手口に使われるタイプの錠です。室内側に鍵を開け閉めするつまみ(サムターン)があります。デットボルトがあるため、強度は円筒錠よりも増しますが、破壊開錠に弱い点は変わらないため、防犯対策には補助錠を付けるか、鍵を交換することをご検討されたほうがいいです。
●レバーハンドル→玄関からトイレ、室内ドアまで様々な場所に使われており、円筒錠より使い勝手が良いノブです。ハンドルが握りやすく、軽い力で開け閉めできます。両手に荷物があっても肘でレバーハンドルを押せばドアが開くので、けがをした方、お子様やお年寄りでも開けやすいため、レバーハンドルは人気があります。
●装飾錠→主に一軒家の玄関ドアに使われる重厚感のあるドアノブです。サムラッチ錠ともいわれます。親指でつまみを押してドアを開けるタイプで、デザイン性の種類も多く、MIWA、GOAL、ALPHA、WESTなど主要な鍵メーカーの装飾錠がございます。
ドアノブの機能
ドアノブには鍵のロック機能がないもの、鍵付きのもの、施錠状態がわかる表示窓のあるもの、など様々な種類があります。
●空錠→ドアをロックする機能のないもの。リビング、室内ドアなど鍵をかける必要のない場所に使われます。
●間仕切錠→ドアがロックでき、開いているか、閉まっているか表示できる窓が内側にあるもの。非常時には外側からコインなどで鍵を開けること(非常解錠機能)ができ、お子様などが閉じ込められる心配がありません。
●表示錠→ドアがロックでき、開いているか、閉まっているか表示できる窓が外側にあり、非常開錠機能があるもの。トイレ、風呂場によく使われます。
●自動施錠錠→ドアが閉まると自動的に施錠するタイプです。レバーハンドルタイプのドアノブに多いです。会社、マンション、寮などのエントランスに使われることが多いです。
では、実際にドアノブの調子が悪い時に、お客様ご自身でできる『ドアノブの外し方、交換方法』をご紹介いたします。こちらを試しても、不具合が治らない、ご自身では交換できない時は、ぜひ鍵のプロにお任せください。
●ドアノブのはずし方、交換の方法
【ドアノブの種類】
玄関のドアなどについているドアノブ錠には、主にインテグラル錠、シリンダー錠、シリンダー箱錠といった種類があります。シリンダー箱錠は自分で交換するのはちょっとムリですが、他は交換が意外と簡単にできます。
■鍵の交換に必要な寸法
・ドアの厚さ
・フロントの幅
・フロントの長さ
・ビスピッチ ※ビスの中心から中心までの寸法
・メーカー名
・バックセット ※ドアの端からノブ(カギ穴)の中心までの寸法
新しい錠(インテグラル錠、シリンダー円筒錠)を購入する際は、これらの寸法などを控えていきましょう。
【シリンダー円筒錠を交換する】
■シリンダー円筒錠の構造
シリンダー錠の構造は、同じシリンダー錠でも室内などに使われる簡易取り付け式のものと屋外などに使われるものでは違ってきます。ここでは、簡単にできる簡易取り付け式の交換を紹介します。
1 丸座のネジをゆるめる
内側ノブの丸座を取り付けている2ヶ所のネジをドライバーでゆるめる。
2 ノブを引き出す
丸座のネジをとると、簡単に内側・外側のノブが引き出せる。穴の中にはラッチボルト部が残っている。
3 フロント板のネジをはずす
フロント板のネジをドライバーでゆるめ、ラッチボルト部をはずす。
4 ラッチボルト部を引き出す
穴の中に指を入れて押し出すか、固い場合にはドライバーなどを使ってラッチボルト部を引き出す。
5 新しい錠をつける
ラッチの向きに注意して、はずしたときに逆にラッチボルト部→円筒錠→丸座→内側ノブの順で取り付ける。
【インテグラル錠を交換する】
■インテグラル錠の構造
インテグラル錠の交換は順序を間違えないように注意しましょう。
1 内側ノブをはずす
ドア内側のノブは丸座と一体になってはずれる。はずし方は、丸座を左に回すもの、丸座のネジをはずすもの、取り付け部の切り込みからこじ開けるものなど機種によって異なる。
2 丸座裏金をはずす
丸座裏金のビスをドライバーではずし、外側ノブをはずす。
3 ケース部を引き出す
フロントのビスをはずし、ドライバーをドアの穴に差し込んで動かしてケース部を引き出す。ラッチボルトの向き、デッドボルトとの位置関係を覚えておくこと。
4 新しい錠を取り付ける
ラッチ(低くなっている方が閉まる側)とドア枠のストライクの向きに気をつけて、はずしたときと逆にケース部→丸座裏金→内側ノブの順で取り付ける。
【チューブラー錠を交換する】
■チューブラー錠とは
破壊などに弱いため防犯には適さないため、おもに室内ドアのドアノブや補助錠に使用されています。
1,室内側のサムターンを取り外す
ドアの内側のサムターン部分に2つのネジで固定されています。
ドライバーでネジを外すとドアノブが外れます。外側シリンダーを落とさないようご注意ください。
2、ケース部分と取り外す
ドアの側面からケース(施錠の時に金属が出てくる装置)を取り外します。ドライバー、ビス2本で固定されています。
3,新しい部品にお取替え
先程、取り外した部分を同じサイズのタイプにお取替えであれば簡単ですが、サイズ違いの部品ですと、扉の加工が必要であったり、取り付け不可の場合もあり、オススメできません。
この記事を監修した専門家
監修 (一社)日本刑事技術協会
代表理事
森 透匡
(もり ゆきまさ)
元千葉県警の警部。約20年にわたり、詐欺、横領、贈収賄などの知能・経済犯罪を筆頭に、殺人事件、薬物事件、組織犯罪などの犯罪捜査に従事。現在は一般社団法人日本刑事技術協会の代表理事として15名以上の警察OBが所属する団体を運営し、多種多様な犯罪に関する防犯講演、商品監修、TVなどのマスコミ出演、マッチングアプリ大手運営会社の詐欺防止に関わる有識者会議委員、「高齢者を身近な危険から守る本」の監修など知見を活かした幅広い活動に尽力している。
このコラムは、ドアノブの修理や交換に関する一般的な問題や対処法について解説しています。ドアノブのトラブルは安全とセキュリティの観点から重要です。ドアノブの不具合は急に起こることは少なく、徐々に発生することが多いです。ドアノブがスムーズに動かない、空転する、鍵穴に鍵が刺さらない、腐食などがあると、それが不法侵入のリスクを高める可能性があります。早期発見と適切な修理や交換が、防犯上非常に重要です。
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