鍵の強化で空き巣を寄せ付けない防犯対策を
注意!悪徳業者の高額請求に遭わずに鍵トラブルを解決する
鍵開けの手口とは
複雑なはずの錠前がなぜ破られるのか。素人には不思議に思えますが、専門的知識や特殊な器具があれば解錠されてしまうことはあります。したがって空き巣被害を防ぐ防犯対策の第一歩として、侵入者の解錠手口を知ることが大事になります。解錠の手口は多種多様ですが、代表的なものは4つあります。第1に古典的なピッキングです。比較的古いアパートなどで使われる一般的な錠前に特殊な器具を差し込み、一定の手順で操作して内部のロックされた部分を回転させることで解錠する手口です。本来は「鍵を無くして部屋に入れなくなった」といったトラブルが発生した時に鍵の専門家が解錠のために使用する器具なのですが、これを悪用するケースがあるのです。 第2にサムターン回しです。家のドアの内側にある、指で回転させて施錠や解錠をするためのつまみがついた丸い部品がサムターンです。ドアの外側の錠前が頑丈だった場合などに、郵便受けなどを利用して外側から室内側に器具を差し込み、サムターンに器具を引っかけるようにして直接回転させ、解錠する手口です。郵便受けなどの開口部が無くても、ドアが薄い場合はドアそのものに穴を開けて回すケースもあるので注意が必要です。 第3はカム送り解錠という方法で、錠前の特定の部分から内側へ特殊な器具を挿入し、錠前内部のカムという部品を直接動かして解錠してしまいます。第4は力任せのこじ開けや錠破りです。薄いドアや木造の扉などをバールのようなものを使って強引に壊したり、大型ニッパーなどでドアノブそのものを破断してしまう荒っぽい手口です。一人暮らしは特に要注意!
空き巣は主婦や高齢者夫婦など、ほとんどの時間在宅していそうな家はターゲットにしません。狙われるのは居住者が長時間不在になりがちな一人暮らしです。大学進学や就職、単身赴任などで一人暮らしを始めるときは防犯対策をしっかりすることが重要で、とりわけ玄関ドアや窓の鍵には細心の注意が必要です。部屋には誰も居ないのですから、侵入されてしまったら窃盗被害などを防ぐことは不可能になります。 一人暮らしを始めるにあたってオートロック方式のマンションを選ぶ人は多いでしょう。しかしオートロックは出入り自由のドアよりはセキュリティ機能が高いとはいえ、万全ではありません。出入り業者を装って適当な部屋番号を押して住人に解錠させてしまえば、建物内部に簡単に侵入できます。しかも侵入してしまえば案外人目につかないものです。だからこそ自分の部屋の施錠には念入りな予防策を立てることが重要なのです。 地方の実家から仕送りしてもらって大学に通う若者は、一般的に学生アパートに住むケースが多いでしょう。新しいアパートなら最新の鍵にしているところもありますが、古いアパートの中には昔からあるぎざぎざ型の単純なタイプを使っているところもあるでしょう。この古いタイプは簡単に開けることができるので注意が必要です。予算的に可能であれば、こうした鍵しか備えていないアパートに入居するのは、防犯の観点から避けた方がよいでしょう。 日本は核家族化が進み、つれあいを亡くした後に田舎の一軒家で一人暮らしをしているという高齢者も増えています。周囲が知っている人ばかりいう安心感があるために、田舎では日常的に鍵をかけないという習慣があるケースもあります。空き巣もこうした風潮を知った上で隙をうかがい、一人暮らしの高齢者がちょっと出かけている間に侵入することがあります。学生も単身赴任のサラリーマンも事情は同じで、うっかり施錠を忘れて登校、出勤してしまうと無防備な状態になります。一度外出してしまえば、部屋を守ってくれるのは確実な施錠しかないのだということを強く意識することが大切です。すぐにできる鍵防犯対策
空き巣は解錠が簡単な錠前の家や部屋を狙います。犯行時間が長引けば近隣住民に発見されたり、警察に捕まる可能性が高くなるからです。したがって鍵に関する対策は、不正解錠をしようとした場合にできるだけ時間がかかるようにすることがポイントです。解錠に長時間かかるようなら、犯人が諦める可能性が高いからです。 そのためには鍵そのものの機能を高度化することが有効です。大変な時間や労力がかかると思っている人がいるかもしれませんが、意外に簡単な方法もあります。例えば表面に深さや大きさが違う凹みをつけることで構造を複雑化させたディンプルキーを備えた物件を選ぶことはお勧めです。ディンプルキーはピッキングに強いとされ、複製も困難と言われています。昔ながらの鍵を使っている物件に住んでいるのであれば、大家さんや管理会社の許可を得て、ディンプルキーに交換することも考えてもよいでしょう。ある程度の出費が必要ですが、ピッキング被害に遭うリスクを低減し、安心して暮らせる部屋を維持することができます。 サムターン回しができないようにするカバーなどの専用部品を設置するのも有効です。古いアパートなどの場合はドアとドア枠の隙間が広いことがあり、そういう物件はバールを突っ込まれやすくなっており、これを防ぐための防犯用ガードプレートを設置するとその効果が期待できます。錠前が1つしか無いドアには頑丈な補助錠を追加して、ダブルガードすれば安心感も高まります。このように比較的簡単に防犯力の強化ができます。 侵入犯が使う器具や手口は日進月歩です。鍵の対策は「これで万全」ということはありません。必要に応じて多様な防犯器具や錠前を更新し、家の防衛力を強化していく心構えが大切です。しっかりした防犯体制が整っていることが外から分かる家や部屋は侵入の対象になりにくく、犯罪抑止にもつながります。この記事を監修した専門家
監修 (一社)日本刑事技術協会
代表理事
森 透匡
(もり ゆきまさ)
元千葉県警の警部。約20年にわたり、詐欺、横領、贈収賄などの知能・経済犯罪を筆頭に、殺人事件、薬物事件、組織犯罪などの犯罪捜査に従事。現在は一般社団法人日本刑事技術協会の代表理事として15名以上の警察OBが所属する団体を運営し、多種多様な犯罪に関する防犯講演、商品監修、TVなどのマスコミ出演、マッチングアプリ大手運営会社の詐欺防止に関わる有識者会議委員、「高齢者を身近な危険から守る本」の監修など知見を活かした幅広い活動に尽力している。
このコラムでは、防犯対策としての鍵の強化に焦点を当てています。特に注目すべきは、オートロックや電子キーが絶対の安全を保証するわけではないという点です。また、空き巣による侵入の手口としてピッキングやサムターン回しなどが挙げられており、これらの知識は防犯対策を考える上で重要です。一人暮らしの場所や古いアパートなど、特定のタイプの住宅が狙われやすいという点も注目に値します。最終的には、鍵そのものの機能を高度化することが、侵入者を防ぐ上で効果的だと言えます。侵入犯の手口や器具は日々進化しているため、常に防犯対策を見直し、家の防衛力を強化することが重要だというメッセージが伝わります。
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