ドアクローザーとは?仕組み・種類・交換方法まで徹底解説!

ドアクローザーは、扉を自動でゆっくり閉めるための便利な装置です。ドアの安全性や防犯、快適性を高めるために、さまざまな場所で使われています。本記事では、ドアクローザーの基本構造や役割、代表的な種類、よくあるトラブルと修理・交換方法、取り付け時の注意点まで詳しく解説。初めてドアクローザーを交換する方や、選び方に悩んでいる方に役立つ情報をお届けします。
この記事でわかること
- ドアクローザーの仕組みと必要性
- 代表的な種類と特徴
- よくある故障とその対処法
- 交換・取り付け時のポイントと業者依頼の判断基準
目次
ドアクローザーとは?基本構造と役割

ドアクローザーは、ドアを静かに、かつ自動的に閉めるための装置です。とくに住宅やオフィス、店舗などで広く使われており、「バタン!」という大きな音や、指を挟むといった事故の防止にも役立ちます。
ドアクローザーの内部には、力を加えるスプリングと、その動きを制御する油圧システムが内蔵されており、開いたドアが一定のスピードでスムーズに閉じるよう工夫されています。
ドアを開けたときに何が起き、どのような仕組みでゆっくり閉まるのか。ここからは、ドアクローザーの内部構造と働きを詳しく見ていきましょう。
ドアクローザーの仕組み

ドアクローザーは、大きく分けて「スプリング(ばね)」と「油圧制御装置」という2つの構造から成り立っています。
ドアを開けると、スプリングが圧縮されてエネルギーを蓄え、手を離すとその力でドアを引き戻します。ただし、勢いよく戻ると危険なため、油圧制御によってスピードを調整し、滑らかに閉まるよう設計されています。
さらに、多くの製品では「スピード調整弁」や「ラッチング機能(最後の閉まりを補助する機構)」が備わっており、使う場所やドアの重さに応じて細かく調整できるのが特徴です。
こうした仕組みにより、ドアクローザーは「誰が使っても安全かつ快適な閉まり方」を実現しています。
なぜドアクローザーが必要なのか
ドアクローザーは、ふだんあまり意識されることのない装置かもしれませんが、実際には建物内の安全性や快適性を大きく左右する重要な役割を担っています。たとえば、強い風によってドアが勢いよく閉まるのを防ぎ、手や指をはさんでしまう事故を未然に防ぐことができます。とくに小さなお子様や高齢の方がいる家庭では、こうした安全性は大きな安心材料になるでしょう。
また、防犯面でもドアクローザーは活躍します。ドアの閉め忘れを防ぐことで、空き巣や不審者の侵入リスクを下げることができます。玄関や店舗の出入口など、人の出入りが多い場所では、確実にドアが閉まる仕組みは欠かせません。
さらに、室内の空調効率にも貢献します。ドアが開けっ放しにならなければ、冷暖房の空気が外へ逃げにくくなり、室内の温度を一定に保ちやすくなります。その結果、冷暖房の稼働時間が減り、電気代の節約にもつながるのです。
ドアが静かに閉まるという特性も、日常生活においては見逃せないメリットのひとつです。住宅地や集合住宅などでドアの開閉音が響いてしまうと、近隣とのトラブルの原因にもなりかねませんが、ドアクローザーがあれば音を最小限に抑えられます。
このように、ドアクローザーは単なる「扉をゆっくり閉める装置」にとどまらず、事故防止、防犯、省エネ、騒音対策といった多方面での効果が期待できます。とくに子どもや高齢者のいる家庭、来客の多いオフィスや店舗などでは、その重要性はより高まると言えるでしょう。
次に、ドアクローザーにはどのような種類があり、それぞれにどんな特徴があるのかを詳しく見ていきましょう。
ドアクローザーの種類と特徴

ドアクローザーには、設置場所や扉の構造に応じていくつかの種類があります。形状や動作の仕組みに違いがあり、それぞれに適した利用シーンが存在します。
ここでは代表的な3タイプ、「スタンダード型」「スライド式」「フロアヒンジ型」の特徴と違いについて、わかりやすく解説します。
スタンダード型(パラレル型)
最も一般的なタイプで、家庭の玄関ドアや事務所の出入口など、幅広い場所で使われています。ドアの上部に本体を取り付け、アームを外側に張り出す形で設置します。
この「パラレル型」は取り付けが比較的簡単で、費用も抑えられるため、コストと性能のバランスがよい点が魅力です。ただし、アームが目立つため、外観を重視する場合は注意が必要です。
設置環境に大きな制約がなく、初めての交換にも向いているベーシックなタイプです。
スライド式(アーム式)
スライド式は、アームの代わりにレールが付いており、ドアと平行にスライドしながら開閉をサポートします。飲食店や病院など、見た目や衛生面にも配慮が必要な場所で採用されることが多いです。
スタンダード型に比べて出っ張りが少なく、見た目もスッキリとスマート。デザイン性を重視したい住宅や商業施設におすすめです。ただし、やや価格が高く、設置にも専門知識が必要なケースがあります。
機能性と美観を両立させたいときに選ばれる上位モデルといえるでしょう。
フロアヒンジ型
フロアヒンジ型は、床下に本体を埋め込むタイプで、ガラスドアや大型ドアに多く使われています。扉の下部で制御を行うため、ドアの上部に装置が見えず、外観を損ねません。
開閉の角度やスピードを細かく調整できるため、高級マンションのエントランスや店舗の自動ドアなどで多く採用されています。ただし、設置には大がかりな工事が必要となり、費用も高くなりがちです。
フロアヒンジ型は、見た目の美しさと高機能性を追求したい空間に適した種類となっています。
ドアクローザーのよくある故障と修理のポイント

ドアクローザーは日々の開閉を支える装置ですが、使用年数や環境によって不具合が生じることがあります。特に目立つのが、「閉まり方」や「音」、「油漏れ」といった症状です。
ここでは、よくあるトラブルの例とその原因、対処方法をわかりやすく解説します。急な不調にも落ち着いて対応できるよう、あらかじめチェックしておきましょう。
ドアが勢いよく閉まる場合の原因と対処法
ドアが勢いよくバタンと閉まるのは、油圧調整機能に異常があるサインです。多くの場合、内部のオイルが減っていたり、粘度が低下して減速機能が効かなくなっていたりします。寒暖差による影響や経年劣化も関係することがあります。
まずは、調整バルブで閉まるスピードをゆるめてみましょう。それでも改善しない場合は、本体の内部に問題がある可能性が高く、修理では対応しきれないケースも。その場合は、交換を検討するのが確実です。
ドアが閉まり切らない場合の原因と対処法
扉が途中で止まって閉まり切らないときは、クローザー本体の調整不足や、ドア枠とのズレ、パッキンの劣化が原因となっていることがあります。特にラッチング機能(最後にしっかり押し込む力)がうまく働かないと、扉が半開きのままになることも。
この場合は、まずクローザーのスピード調整を見直し、それでも直らなければ、建付けやドア周りのパーツにも目を向けましょう。小さなズレでも、スムーズな動きを妨げることがあります。
異音・油漏れなどのトラブルと修理の可否
ドアの開閉時に「ギー」や「キュッ」といった音がする場合や、本体からオイルが漏れている場合は、内部部品の摩耗や密閉不良が進んでいる可能性があります。
異音はアーム部分の金属疲労やネジのゆるみ、オイル漏れはクローザー内部のパッキン劣化などが原因です。これらの症状は、基本的に応急処置では対応が難しく、ほとんどの場合、本体ごと交換するのが安全で確実な方法です。
ドアクローザーの交換・取り付け方法

ドアクローザーが不調になった際には、修理で直せる場合もありますが、部品の劣化や内部構造の不具合によっては、交換が必要になることもあります。ここでは、交換前に確認すべきポイントや取り付け時の流れ、業者に依頼すべきケースまで詳しくご紹介します。
交換時のチェックポイント
ドアクローザーを交換すべきかどうか判断するには、まず現在のドアの状態をよく観察することが大切です。たとえば、扉が急に勢いよく閉まるようになったり、逆に最後まで閉まり切らないといった現象があれば、内部の油圧や部品のバランスが崩れている可能性があります。また、本体から油が漏れていたり、開閉時にガタつきや異音がする場合も注意が必要です。こうした症状は、経年劣化により内部部品が摩耗しているサインであり、修理では改善が難しいケースも多いため、早めの交換が推奨されます。
取り付け手順と注意点
ドアクローザーの取り付け作業は、一見シンプルに思えるかもしれませんが、正確さと慎重さが求められる作業です。まず、古いドアクローザーを取り外す前に、型番やサイズ、取付位置をしっかり記録しておきましょう。特に異なるメーカーやモデルを使用する場合、取付穴の位置が合わないこともあるため、事前の確認が重要です。
新しい製品を設置する際は、説明書に従って本体とアームの取り付け位置を決め、扉の開閉スピードに影響するバルブを微調整していきます。このとき、一度に大きく調整せず、少しずつ動作を確認しながら進めるのがポイントです。また、取り付け後には何度か扉を開閉し、自然なスピードで閉まるかどうかを確認してください。最終的に本体のネジを本締めすれば作業は完了となります。
交換を業者に依頼した方がよいケース
ドアクローザーの交換作業は、自分でもできる場合がありますが、すべてのケースにおいてDIYが最適とは限りません。たとえば、高所に設置されたドアや、防火扉のように構造が特殊な扉では、安全性や法的基準に適合させるために専門知識が必要です。
また、交換後に不具合が出てしまうと、再度作業が必要になるうえ、建具や壁に余計なダメージを与えてしまうリスクもあります。製品選びに不安がある場合や、現場での調整に自信がない方は、迷わず専門の業者に依頼しましょう。現地での状況確認から最適な機種選定、取り付け後の調整まで一貫して任せられるため、確実かつ安心です。
ドアクローザー選びで失敗しないためのポイント

ドアクローザーは見た目が似ていても、扉のサイズや設置環境によって最適な製品が異なります。誤った選定をしてしまうと、開閉スピードが不安定になったり、すぐに不具合が生じる原因にもなりかねません。ここでは、製品選びで後悔しないために押さえておきたい2つの重要な視点について解説します。
サイズ・扉の重量と適合モデルの確認
まず確認すべきは、扉の大きさや重さに適合するモデルを選ぶことです。ドアクローザーには「適用ドアサイズ」や「適用重量」の目安がそれぞれの製品ごとに設定されています。たとえば、軽量な室内ドアと重量のある玄関ドアでは、必要とされる制動力がまったく異なります。
また、適合サイズに満たないクローザーを選んでしまうと、扉が途中で止まったり、急にバタンと閉まってしまったりすることがあります。逆に、必要以上に強力なモデルを選ぶと、開ける際に過剰な力が必要になり、使用感にストレスを感じてしまうでしょう。
ドア本体の寸法と重量、開閉頻度を考慮したうえで、メーカーの仕様表に従って適合モデルを慎重に選ぶことが、快適な使用を保つ第一歩です。
耐久性・使用環境に合った製品を選ぶ
ドアクローザーは屋内外問わず使用されるため、設置場所の環境に合わせて耐久性のある製品を選ぶことも重要です。たとえば、屋外に面した玄関ドアやガレージの扉に取り付ける場合、風雨や温度変化にさらされるため、防錆加工や耐候性に優れたタイプを選ぶ必要があります。
さらに、商業施設やマンションの共用部のように開閉回数が多い環境では、一般住宅用よりも高い耐久性を備えたモデルが求められます。こうした高頻度の使用に耐える業務用モデルには、部品の強度が高く、調整機能も充実しているものが多くあります。
見た目や価格だけで判断せず、扉の使用状況や環境をよく把握し、それに合った機能や性能を持つ製品を選ぶことが、長く安心して使い続けるための鍵となります。
まとめ
ドアクローザーは、ドアの安全性と利便性を支える重要な装置です。種類や仕組みを理解し、設置環境や扉の条件に合った製品を選ぶことで、トラブルの少ない快適な開閉が実現できます。
また、故障時の対処や取り付け作業には専門知識が必要となるケースもあるため、自力での対応が難しいと感じたら、無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。特に、ドアが正常に閉まらない状態を放置していると、防犯面や安全面に大きな影響を及ぼす可能性があります。
もしドアクローザーの不調や交換に関するお悩みがある方は、プロの手で迅速・確実に対応してくれる「カギの緊急隊」にご相談ください。



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