■ 作業日誌
12月に入ると、玄関に出たときのキーンとした冷たい空気や、ふわっと白くなる吐く息に「もうすっかり冬だなぁ」と感じますよね。そんな寒さがぐっと増してきた12月12日の午前中、栃木県鹿沼市板荷のお宅から玄関のカギトラブルのご依頼をいただきました。
今回のご相談は、「玄関の引き違い戸のカギが、外からも内からも開かなくなってしまって…」というもの。お電話口ではとても落ち着いてお話しされていましたが、以前から調子が悪かったそうで、「ついに完全に動かなくなっちゃいました」と、困っていらっしゃる様子が伝わってきました。
幸いにも一戸建てで、玄関以外からは出入りできるとのことでしたが、それでも本来いちばん使う玄関が使えないのはやっぱり不便ですよね。防犯面も気になりますし、気持ち的にも落ち着きません。
到着は10時〜10時30分の予定でご案内し、「なるべく早くお伺いしますね」とお伝えして、現場へ向かいました。少しでも早く安心していただけたらいいな、そんな思いでの出動でした。
■ 現場到着
道路脇の草木もどこか寒そうで、風が吹くたびに「いよいよ冬本番だなぁ」と感じるような朝でした。
到着すると、お客様が玄関の近くで待っていてくださっていて、「最近ずっと調子が悪かったんですけど、とうとう両方から開かなくなっちゃって……」と、少し困ったように笑いながら状況を教えてくださいました。
その表情には、焦りというよりも「来てくれてよかった」というホッとした気持ちがにじんでいて、こちらも「まずはしっかり見させていただきますね」と、落ち着いて状況を確認しようという気持ちになりました。こういうとき、最初のひと言で空気がやわらぐことってありますよね。
■ 状況確認
さっそく問題の玄関の引き違い戸を見せていただくと、たしかに鍵の動きがかなり重く、内側からも外側からも、うまく開けることができない状態でした。実際に操作してみても、「これは大変だな…」と感じるくらいの固さです。
引き違い戸の鍵って、長年使っているうちに中の部品が少しずつすり減ったり、ほんのわずかなズレが積み重なったりして、だんだん調子が悪くなっていくことが多いんです。お客様がおっしゃっていた「最近ずっと調子が悪かった」というのは、まさにそのサインだったのだと思います。
最初は「ちょっと固いな」くらいでも、そのまま使い続けていると、ある日突然「まったく動かない…!」となることも珍しくありません。今回もまさにそのパターンでした。
さらに詳しく確認してみると、現在ついている鍵はすでに廃盤になっているタイプであることが分かりました。つまり、同じものに交換することはできず、修理で一時的に動くようになったとしても、また同じトラブルが起きる可能性が高い状態でした。長く安心して使うには、別の方法を考えたほうがよさそうです。
■ 作業開始
作業は、まず今ついている引き戸のカギを、ていねいに外すところから始めました。
長いあいだ使っていた部品だったので、中を見てみると、やっぱり汚れやすり減りがしっかり出ていて、「これは開け閉めしにくくなるのもしかたないなあ」と思うような状態でした。
でも今回は、ただ古いカギを外して、新しいカギを付ければ終わり、という作業ではなかったんです。
もともと付いていたカギは、もう今は作られていない古いタイプだったので、同じ大きさのものにそのまま取り替えることができませんでした。そこで今回は、大きさや付ける場所のちがいを合わせるために、少しずつ手を入れながら取り付けていくことになりました。
この作業、じつは見た目よりずっと気を使います。
ほんの少しでもズレると、カギを閉めたときに「なんだか固いな」「ちょっと引っかかるな」となってしまうので、適当に進めることはできません。ひとつひとつ大きさを見ながら、「ここなら気持ちよく使える」という場所を探して、ていねいに進めていきました。
そうして、新しいミワPR PSSL09-1LSを取り付けたあとは、ちゃんとスムーズに使えるかを何度も確認しました。
内側からも外側からもカギを回してみて、きちんと閉まるか、ちゃんと開くかをしっかりチェック。さらに、引き戸ならではの戸のかみ合わせも見ながら、細かいところまで調整していきました。
最後には、これまであった重たい感じや引っかかる感じもすっかりなくなって、「これなら安心して気持ちよく使えますね」と思えるくらい、スムーズな状態に仕上がりました。
■ 錠前交換
お客様がいちばん安心して使える方法は何かな?と考えると、やっぱり新しいカギに替えて、ちゃんと気持ちよく使える状態にするのがいちばんです。
そこで今回は、少し手を加えながら、いろいろな扉に合う万能タイプの「ミワPR PSSL09-1LS」という新しいカギに交換するご提案をしました。
ご説明のときも、できるだけわかりやすくお話しして、
「今ついているカギは、もう同じものが手に入らないんです。無理に直して使うより、新しいカギに替えたほうが、この先ずっと安心して使えますよ」
とお伝えしました。
するとお客様も、「やっぱりそうなんですね。最近ずっと調子が悪かったので、そろそろ替えないとかなとは思っていたんです」と、うなずきながら話してくださいました。
さらに、新しく付けるカギは防犯の面でもしっかりしたタイプだとお伝えすると、
「せっかく替えるなら、安心できるものがいいですね」
と、とても前向きに受け止めてくださいました。
■ お客様の声
作業は全部でだいたい60分くらいでした。少し手を加えながらの交換でしたが、スムーズに進んで、無事にお客様にお渡しできる状態まで仕上げることができました。
終わったあと、お客様にも実際に新しいカギを動かしていただくと、
「ああ、全然ちがいますね!こんなに軽く開け閉めできるんですね」
と、びっくりしたようにおっしゃっていました。
そのあと、もう一度カギを動かしながら、
「最近ずっと引っかかる感じがしていたので、これで安心しました」
と、にっこり笑ってくださって、その表情を見てこちらも思わず嬉しくなりました。
やっぱり「安心しました」と言っていただけるのが、いちばんほっとする瞬間ですね。
■ 作業員メモ
お客様からすると、「さっきまで何とか使えていたのに、急にだめになった」と感じることって多いんです。でも実は、そういうカギのトラブルって、長い時間をかけて少しずつ悪くなっていることが多いんですよね。今回もまさにそんな感じでした。「最近ずっと調子が悪かったんです」
という、ほんの小さな気になる感じが、最後には大きな困りごとにつながってしまったんです。
今回の作業は、もう同じものがないカギだったので、「どうしたらお客様がいちばん安心できる形にできるかな」と考えながら、ひとつずつ進めていきました。
そうして最後に、お客様がほっとしたお顔で新しいカギを動かしているのを見たとき、
「やっぱり今回、ちゃんと替えてよかったなあ」と心から思いました。
私たちは、ただ部品を取りかえるためだけに現場へ行っているわけではないんですよね。
その先にある、「安心して暮らせるいつもの毎日」まで、ちゃんとお渡ししたいと思って動いています。
今回も、そんな気持ちをあらためて強く感じた現場でした。
■ 総括
作業が終わったあと、お客様が「開かなくなったときは、ほんとうにどうしようかと思いました。でも、ちゃんと見てもらえて助かりました」と、やさしく声をかけてくださいました。
寒い日のことだったんですが、そのひと言を聞いたときは、こちらの気持ちまでぽっとあたたかくなりました。
これからもっと寒くなって、年まつに向けてバタバタする時期になっていきます。そんなときだからこそ、おうちのカギまわりで
「なんか変だな」「ちょっと使いにくいな」と思うことがあれば、早めに見ておくのがやっぱり安心です。
今回みたいに、直すだけではむずかしいこともあります。
でも、そういうときでも、その場の様子に合わせて
「これがいちばん安心できそうです」
という形をいっしょに考えながら、できるだけほっとしてもらえるように対応していきたいと思っています。
■ 使用部品
ミワロック MIWA (美和) 取替引戸錠 PSSL09-1LS ディンプルキー5本付 万能引き戸錠 ブロンズ色(CB)
■ ビフォーアフター