■ 作業日誌
朝の準備がひと段落したころ、一本のお電話が入りました。栃木県日光市宮小来川にお住まいのN.K様からで、「玄関の鍵の調子が悪くて…」と少しお困りのご様子。詳しくお話をうかがうと、「引き違い戸の鍵が壊れてしまって、開け閉めができないんです」とのことでした。玄関が使えないと外出も帰宅も不便ですし、防犯面も気になってしまいますよね。できるだけ早く安心していただけるよう予定を調整し、10時30分〜11時00分の間にお伺いすることになりました。
■ 現場到着
現場のある日光市宮小来川は、山あいならではのひんやりした空気で、「ああ、季節が変わってきたなぁ」と感じるような場所でした。向かう途中には、少しずつ色づき始めた木々も見えて、「もう秋か…早いなぁ」なんて、つい独り言が出てしまうような雰囲気です。景色はとてもきれいなんですが、その分お家同士の距離があることも多くて、もし鍵が使えないとなると不安も大きくなりやすいんですよね。
到着すると、N.K様が玄関先で待っていてくださっていて、「助かりました、さっきから全然ダメで…」とすぐに状況を教えてくださいました。50代くらいの落ち着いた雰囲気の男性でしたが、やっぱり玄関が使えない状態は相当お困りだったようで、少しお疲れの様子も見受けられました。
■ 状況確認
まずはご挨拶をしてから、さっそく問題の玄関の引き違い扉を見せていただきました。
玄関は左右にスライドする引き違い戸で、真ん中にいわゆる「召し合わせ錠」が付いているタイプです。実際に動かしてみると、鍵が途中までしか回らず、かけることも開けることもできない中途半端な状態になっていました。内側のつまみもどこか引っかかる感じがあって、「これは中で何か壊れていそうだな…」という印象です。
N.K様のお話では、前の日までは「ちょっと固いかな?」くらいだったそうですが、今朝になって急に動かなくなったとのこと。「力を入れて回したら“カクッ”って嫌な感触がして、それから全然ダメになっちゃって…」と教えてくださいました。その感触からすると、内部の部品が欠けてしまったか、かみ合わせが崩れてしまった可能性が高そうだと判断しました。
■ 作業開始
作業は、まず今ついている鍵を外すところからスタートしました。引き戸の鍵って、ただ外して新しいものを付ければ終わり…というわけではなくて、左右の扉の位置関係がとてもシビアなんです。錠前本体と受け側の位置を確認しながら、「ちゃんと合うかな?」と様子を見つつ、取付面を整えていきます。
今回は、もともとの取付穴の形が少し合わない部分があったので、必要な分だけ軽く加工を行いました。これも削りすぎると強度が落ちますし、逆に足りないと動きが悪くなるので、本当にちょうどいいところを狙う必要があります。見た目は地味ですが、実はここが一番神経を使うところなんですよ。
加工が終わったら、MIWA製の万能引き戸錠を一度仮で合わせて、扉同士のかみ合わせを少しずつ調整していきます。施錠する位置がほんの少しズレるだけでも「閉まらない」「固い」といった原因になるので、開けたり閉めたりを何度も繰り返しながら、スッと回ってしっかりかかるポイントを探していきました。
途中でN.K様が「そんなに細かく調整するんですね」と驚かれていましたが、毎日使う玄関ですから、ここはどうしても妥協できないところなんです。
しっかり固定したあとは、鍵の施錠・解錠を何度もチェックして、最後に扉の開け閉めも含めて全体の動作確認を行いました。引っかかる感じもなく、軽い力でスーッと動く、とても使いやすい状態になりました。
■ 錠前交換
まずは安全のため、扉が勝手に動いたりしないように状態を整えてから、錠前を分解して中の様子を確認しました。引き違い錠って、長年使っていると金属の疲れや摩耗が少しずつ積み重なって、ある日突然「もう限界です…」という感じで動かなくなることがけっこうあるんです。
実際に中を見てみると、細かい金属の粉や汚れが溜まっていて、部品の一部ははっきりと壊れている状態でした。これだと修理でなんとかするのは難しく、無理に使い続けると逆に危険なので、「今回は交換したほうが安心ですね」とその場でN.K様にもご説明しました。
ただ、今ついている錠前はかなり古いタイプで、取付穴やサイズが今の製品とぴったり同じではないんです。そこで今回は、必要な加工をしたうえで、MIWA製の万能引き戸錠に交換する方法をご提案しました。万能タイプなので対応できる範囲が広く、防犯性もしっかりしたものです。
するとN.K様も「どうせ替えるなら、安心できるものがいいですね」と前向きに考えてくださり、「お願いします、今日中に直りますか?」とご質問がありました。加工があってもその日のうちに対応できる内容でしたので、「大丈夫ですよ、今日中に使えるようにします」とお伝えして、さっそく作業に入らせていただきました。
■ お客様の声
N.K様にも実際に鍵を動かしていただくと、「おお、ずいぶん軽くなりましたね。前より全然いいですね」と、少し驚いたご様子でした。何度か開けたり閉めたりを試してから、「これなら安心して出かけられます。本当に助かりました」と、ホッとしたような笑顔を見せてくださって、こちらもとても嬉しくなりました。
■ 作業員メモ
最後に、これから長く気持ちよく使ってもらえるように、お手入れのしかたもお話ししました。
「年に一回くらい、こういうお手入れをしておくと安心ですよ」とお伝えすると、
「ちゃんと手入れしていきます」と、うれしいお返事もいただけました。
カギって、おうちを守る大事なところなんですよね。
ちゃんと動いて、ちゃんと閉まる。そんな“あたり前”があるだけで、毎日の安心ってずいぶん変わるんだなあと、あらためて感じました。今回の作業で、その安心をもう一度取り戻すお手伝いができたことを、こちらもとてもうれしく思っています。
帰るころには、山のほうから気持ちのいい風がふわっと吹いてきて、なんだかこちらまでほっとするようでした。もうすぐ紅葉の季節を迎える、静かな町の中で、またひとつ「安心して暮らせる毎日」のお手伝いができて、本当によかったなと思える現場でした。
■ 総括
作業が終わってあらためて思ったのは、玄関のカギって、ふだんはあって当たり前すぎて、動かなくなったときにはじめて「こんなに大事だったんだな」と気づくものなんだな、ということでした。
とくに日光のように、おうち同士が少し離れている場所だと、玄関がいつもどおり使えないだけで、不安な気持ちがぐっと大きくなりますよね。だからこそ今回は、その場でちゃんと直せて、お客様の表情が少しずつ明るくなっていくのを見たとき、こちらも「ほんとうに間に合ってよかったなあ」と素直に思いました。
帰るときにN.K様が、
「このあたりは夜になると静かすぎて、かえって心細くなることもあるので助かりました」と話してくださったのも、とても印象に残っています。カギって、小さなものではあるんですが、毎日の安心を支えてくれる大事な存在なんですよね。
今回も、その安心をもう一度取り戻すお手伝いができたことが、こちらにとっていちばんうれしいことでした。
■ 使用部品
ミワロック MIWA (美和) 取替引戸錠 PSSL09-1LS ディンプルキー5本付 万能引き戸錠 ブロンズ色(CB)
■ ビフォーアフター