外出先で鍵がないことに気づいたとき、どう対処すればよいのか。多くの方が経験したことのない事態に直面し、不安を感じるものである。2025年6月の曇りがちな日、昼休みのころに小川町奈良梨にお住まいのK.H様からお電話をいただいた。涙声まじりの口調だった。 K.H様は、バスを降りて自宅に向かって歩き出したときに鍵がないことに気づいたとおっしゃっていた。カバンの中を何度も探したが見つからず、いつ紛失したのか心当たりもないとのことだった。自宅の玄関前で途方に暮れている状況だった。 私は割と近くにいたため、連絡を受けて20分くらいでお客様のもとへ到着することができた。現場は緑豊かな住宅街にある一戸建てで、玄関ドアには家研製の錠前が設置されていた。家研販売は住宅用金物を製造するメーカーで、引戸の戸車やドア用金物で知られている。 調査には5分もかからなかった。まずK.H様に本人確認をさせていただいた上で、鍵穴の状態を確認し、開錠方法を検討した。家研製の錠前は独特の構造を持っているものがあり、開錠には適切な技術が必要となる。 K.H様には作業内容と見積り金額をご説明した。鍵を壊さずに開錠できる見込みであることをお伝えすると、少し安心されたようだった。開錠作業は小一時間で完了した。見積り金額は46,000円だった。K.H様は安堵した表情で「また同じことが起きたら迷わず頼みたいです」とおっしゃっていた。 開錠後、今後の対応についてもご説明した。鍵を紛失した場合、開錠だけで済ませることもできるが、防犯上の観点からシリンダーの交換を検討されることをお勧めしている。紛失した鍵がどこにあるか分からない以上、第三者の手に渡る可能性を考慮する必要がある。K.H様も防犯面を心配されており、後日シリンダー交換のご依頼をいただくことになった。 今回の事例で印象的だったのは、バスを降りた直後に鍵の紛失に気づいたという状況だった。公共交通機関を利用する際は、鍵を落としやすい環境にあることを意識しておくとよい。 鍵の紛失を防ぐためには、鍵に目立つキーホルダーをつけておくことが効果的だ。また、鍵を入れる場所を決めておき、毎回同じポケットやポーチに入れる習慣をつけることも大切である。スペアキーを信頼できる方に預けておくことも、万が一の際に役立つ対策となる。