【栃木県宇都宮市大曽】「MIWA」玄関の鍵の交換事例

ご連絡いただいたのは宇都宮市大曽にお住まいのH.I様、70代の女性からのものでした。お電話をいただいたのは午前中。「玄関の引き戸が最近どうも調子悪くて、開け閉めに力が必要なんです。鍵がきちんと閉まらない時もあって心配で…」と不安げな声でした。ご高齢の方が毎日使う玄関の鍵が不安定というのは、防犯面だけでなく生活の安全にも直結します。すぐにスケジュールを調整し、午後13時00分〜13時30分の時間で訪問することになりました。

秋風が心地よく吹き抜ける午後、宇都宮市内の街路樹を横目に車を進めていくと、大曽の住宅街にたどり着きました。そこは昔ながらの落ち着いた雰囲気を残した町並みで、赤茶けた瓦屋根の家々が整然と並び、どこか懐かしさを感じさせます。指定の住所に到着すると、玄関先にはH.I様がすでに立っておられました。少し緊張した表情を浮かべながら、「すみませんね、こんなことで呼んでしまって」と声をかけてくださり、その言葉には依頼に至るまでの不安や心配がにじんでいるように感じられました。

まずは玄関の状態を確認しました。建物自体が建てられてからすでに数十年が経っているとのことで、取り付けられている引き違い錠も年季の入った古いタイプです。実際に動かしてみると、鍵を回すたびに引っかかりがあり、かなり力を込めないと最後まで回しきれない状況でした。内部は長年の使用による摩耗が進み、さらに建付けのわずかな歪みも影響しているようです。このまま使い続ければ、いずれ施錠そのものができなくなる可能性もあり、防犯面でも大きな不安要素となります。その旨をH.I様に丁寧にご説明すると、深く頷かれ、交換作業に進むことをご了承いただきました。

作業を始めるにあたり、まずは古い引き違い錠の取り外しに取りかかりました。錠前の周囲には長年の使用で擦れた跡があり、木枠もところどころに年季を感じさせます。そのため、傷をつけないよう細心の注意を払いながら工具を差し込み、少しずつ慎重に外していきました。作業の合間に「この部分はもうだいぶ擦り減っていますね」とお伝えすると、H.I様は「やっぱりそうですか。もう40年以上この家に住んでいるから、鍵もずいぶん頑張ってくれたんですね」と、懐かしそうな表情を浮かべて微笑まれました。その言葉に、この家と共に歩んできた年月の重みが感じられ、作業にもより一層の責任を持って臨もうと気が引き締まりました。

古い錠前を丁寧に取り外したあとは、新しい引き違い錠の取り付け作業に進みました。今回ご用意したのは、防犯性に優れたディンプルキー仕様の最新タイプです。ピッキングに強く、簡単には複製ができないため、セキュリティ面での安心感が格段に高まります。また、操作性も従来のものより大幅に改善されており、わずかな力でスムーズに施錠や解錠ができるよう設計されています。日常的に使うものだからこそ、安心と快適さを兼ね備えた錠前が求められるのだと改めて実感しました。

作業を終えると、H.I様は安心したように「これで夜も心配なく眠れます」と微笑まれました。その後、お茶をご馳走になりながらお話を伺うと、このご自宅はご主人と二人で力を合わせて建てた、大切な思い出の詰まった家なのだと教えてくださいました。お孫さんたちが遊びに来るたびに、玄関の扉を何度も元気よく開け閉めしていたこともあり、「この家を守る鍵は、まるで家族の歴史をずっと見守ってきたようですね」と、しみじみと語られていたのが印象的でした。

作業の最後には、防犯性を長く保つための日常的なお手入れ方法についてもご説明しました。たとえば、月に一度は鍵穴に専用の潤滑剤を差すことや、無理な力をかけずに開閉することなどです。H.I様は熱心にメモを取りながら耳を傾け、何度も感謝の言葉をかけてくださいました。
新しい鍵と共に、安心して過ごせる日々をお届けできたことを嬉しく思います。

今回の作業は、単に古い鍵を新しいものに取り替えるだけではなく、H.I様の暮らしの安心と、ご家族が積み重ねてきた思い出を守るという大切な役割を果たすものとなりました。作業員Aは、「鍵は家を守る最前線にある存在。小さな異変を見逃さずに対応することこそが、日々の安心につながるのだ」と改めて実感したそうです。作業を終えたときにいただいたH.I様の笑顔と「ありがとう」という温かな言葉は、何よりの励みであり、この仕事に携わる者としての大きな報酬となりました。